長時間労働でトラック労働者が労災 - 物流大手・イオンと国土交通省に申入れ

物流大手・イオンの幹線便の配送のトラック運転手が脳梗塞を発症、労災を申請している事件で、連帯ユニオンは、イオン株式会社、その物流部門を担うイオングローバルSCM株式会社、及び国土交通省自動車局貨物課トラック事業適正化対策室へ申入れを行いました。

 

被災した中野運送のトラック運転手は、イオン物流センター「イオン中部RDC」から関西のイオン各物流センター間の配送を担っていました。

 

通常、14時頃に運送会社本社を出発してイオン中部RDCへ向かい、16時頃にはイオン中部RDCに到着、そこで荷下ろしと積み込みを断続的に繰り返し、20時頃にはイオンの関西方面の配送センター(京都の関西配送センター、大阪府堺の南大阪配送センター、兵庫の配送センター、時には四国の配送センター)などに向かいます。配送センターに到着すると直ちに受付を行い、受け入れ側担当者の指示で荷物を手下ろし、深夜2時過ぎ頃には再び愛知の中野運送本社にむけて出発して早朝に帰社し、その日の14時にまたイオン中部RDCへ向かうという勤務を繰り返していました。

 

1カ月の労働時間は300時間を超え、時間外労働は100時間を超え、深夜労働も100時間を超えていました。

 

問題は、このイオン配送センター幹線便の運行が、法に違反していたということです。貨物自動車運送事業法では、拘束時間は1日16時間まで、休息期間は最低8時間必要とされていますが、イオン配送センター幹線便は、これらの基準を頻繁に、あるいは大きく超える運行を行っていたのです。

 

貨物自動車運送事業法64条に基づくトラック改善基準違反運行に対して、本年4月1日より運用通達が改正され、荷主勧告制度が強化されました。イオン幹線便のトラック運送では、違反運行が多いとも言われ、荷主であるイオン株式会社の責任も問われます。

 

連帯ユニオンでは、以前にも春日運送の下請けのC社(安城市)の組合員が中部RDCからイオン静岡RDC(袋井)間の配送をしていましたが、やはりトラック改善基準に違反する運行を強要され、連日、トラック内に宿泊する生活を送っていました。17時頃にイオン中部RDCに到着して荷積みを終えて20:30頃出発、24時頃にはイオン静岡RDCに着くのですが、荷下ろしが2か所あるため静岡センター内の待機時間が長く、朝7時頃までイオン静岡RDC内の留まり、そこから帰路についていました。

 

このように純粋に荷主イオンに拘束される時間で、トラック改善基準の限界であり、運転手所属の貨物運送事業者での拘束時間が法違反になるのは必然です。

 

イオングループは、物流改革として大々的にNDCRDCを大手運送会社に出資させてオープンしました。しかし、その下で、2次下請け、3次下請けのトラック労働者たちは、安い運賃ゆえに長時間労働を迫られ、違法状態での運行を強いられているのです。

 

荷主のCSR(企業の社会的責任)をはっきりさせ、イオン物流センターから法違反を一掃し、トラック労働者に人間らしい労働条件を保証するよう求めています。

 

申し入れ先への要求は以下4点です。

 

①イオン配送センター内のすべての業者がトラック改善基準を守っているかどうかをチェックすること

②イオン配送センター内のドライバーの荷積み荷下ろしの手作業を軽減すること

③労災の調査に協力すること

④運送業務の下請けを規制し、荷主が適正に設定した運賃をすべてのトラック業者が収受できるようにすること