CATEGORY 労働者によるマルクス主義研究

労働者によるマルクス主義研究

12:書評『移民の政治経済学』(ジョージ・ボージャス 白水社)  ― 移民排斥は「ホワイト・プア」の地位向上をもたらすのか?

『移民の政治経済学』著者・ジョージ・ボージャスの研究はトランプ大統領の選挙演説にも引用されたという。  移民の流入が低所得労働者の賃金を低下させているという統計的な根拠にもされたのであろう。本稿はこの書を国際主義的な立場…

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11:「グローバリゼーションのエレファントカーブ」の意味するもの 帝国主義の世界支配からのパワー・シフト

解題 左翼はかつて「帝国主義」やその「民族・植民地問題」について多くを論じてきた。ある党派などはレーニン帝国主義論をそのままに日米帝国主義の不均等発展が第三次世界大戦をもたらすとまで言った。だが、現実は別の道を辿った。も…

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9.研究論文:マルクス経済学からみた『21世紀の資本』 トマ・ピケティの分析を検証する

1、国家統計、財務諸表を集約して近現代資本主義の実相を明らかにする   トマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房 以下、「この本」とする、アドレスの引用は『21世紀の資本』オンラインページ)は、現在利用できる国家統計…

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7.書評:階級闘争論からみた「脱成長論」 セルジュ・ラトゥーシュ『経済成長なき社会発展は可能か?』を読む

ラトゥーシュはフランスの学者で「ポスト開発」学派という思想潮流に属し、資本主義の開発(発展)が「あらゆる害悪の源泉」であると主張する。とりわけ、「北」の開発が「南」の自立的な社会を解体し、富と貧困の一層の格差をつくりだし…