13.書評:ロバート・B・ライシュ 『最後の資本主義』
ロバート・B・ライシュ『最後の資本主義』(東洋経済新報社 2016年)の原題は『資本主義を救えsaving capitalism』。1990年代にクリントン政権の労働長官を務めた筆者が、21世紀の米国について、余りに金持…
ロバート・B・ライシュ『最後の資本主義』(東洋経済新報社 2016年)の原題は『資本主義を救えsaving capitalism』。1990年代にクリントン政権の労働長官を務めた筆者が、21世紀の米国について、余りに金持…
『移民の政治経済学』著者・ジョージ・ボージャスの研究はトランプ大統領の選挙演説にも引用されたという。 移民の流入が低所得労働者の賃金を低下させているという統計的な根拠にもされたのであろう。本稿はこの書を国際主義的な立場…
解題 左翼はかつて「帝国主義」やその「民族・植民地問題」について多くを論じてきた。ある党派などはレーニン帝国主義論をそのままに日米帝国主義の不均等発展が第三次世界大戦をもたらすとまで言った。だが、現実は別の道を辿った。も…
膨大な民衆の犠牲を生みだす帝国主義の「対テロ戦争」 アメリカ帝国主義と有志連合、及びロシア帝国主義による「対テロ戦争」は、中東の民衆に膨大な犠牲を日々生みだして強行されている。許せない! 日本の安保関連法は憲法を踏…
1、国家統計、財務諸表を集約して近現代資本主義の実相を明らかにする トマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房 以下、「この本」とする、アドレスの引用は『21世紀の資本』オンラインページ)は、現在利用できる国家統計…
1、金融危機に示された資本主義の本質とは何か 2008年のリーマンショックについて、その経済指標を批判的に分析した論評は少なくはなかった。しかし、デヴィッド・ハーヴェイ『資本の謎』(作品社、以下引用ページは同書)は、そ…
Ⅰ、21世紀初頭の世界経済の行方 一、「現在の経済危機はある種単純な循環的絡み合いが作り出した危機ではない。それは、長期的な構造的危機の部分であり、『生産様式』の危機だ」 第2次世界大戦後の世界経済の拡大は1974年~8…
ラトゥーシュはフランスの学者で「ポスト開発」学派という思想潮流に属し、資本主義の開発(発展)が「あらゆる害悪の源泉」であると主張する。とりわけ、「北」の開発が「南」の自立的な社会を解体し、富と貧困の一層の格差をつくりだし…
論文『スターリン主義はいかにして発生したか』では、ボルシェビキの民族政策と党の官僚主義の問題に光をあてて考察してみた。ここでは、その補足として、ボルシェビキの一党独裁体制の形成、および、国内建設の問題について若干考えてみ…
サミール・アミン、エマニュエルの従属派理論を継承し、リカード比較優位論を援用することで不等価交換のメカニズムを解析した論文です。 1.国際経済の実相 先進国・サミット主要7か国は、人口では世界の10%強にすぎないが、世界…